都内から逗子に引っ越して実際に感じた住みやすさについて話していくね。
今回は小坪エリアだね。
小坪エリアの特徴
小坪は、逗子と鎌倉に挟まれた町です。
小坪漁港という港があり、昔から漁村の町として有名な場所です。
かつては小坪海岸がありましたが、埋め立て工事により今は逗子マリーナが建っています。
披露山庭園住宅や逗子マリーナ、コスモミロス逗子といった高級住宅街が多く所在しており、おしゃれなレストランやカフェ、小坪漁港の新鮮な魚介類の食べられるご飯屋さんもあります。
小坪は漁業のまち
小坪は、漁業が有名な場所です。
昔は小坪千軒(=小坪には千軒の家があるという意味)と言われたように、漁業の村として活躍しました。
小坪の港から披露山に登ることができる道があります。
狭い道がくねくねと曲がっており、初めて歩くと迷路のように感じると思います。
これは津波に対する対策で、津波の被害が昔から多かったことが町なみからも窺えます。
小坪は、逗子の駅前からは少し離れており、鎌倉からも離れています。
その地理的特性を生かして、漁村として独立した特色のある場所です。
逗子マリーナ
逗子マリーナは、1971年に西武流通グループ(後のセゾングループ)によって開発されました。
現在は、リヴィエラグループに事業譲渡されています。
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小坪の海岸の岩礁を埋め立てて建てられた敷地内には、マンション、レストラン、カフェ、プール、ボウリング場(現在は結婚式場に改築)があります。
ヨットを停留させることのできるマリーナには、約280艇のヨットを置くことができます。
2021年夏に開催された東京オリンピックでは、スペイン代表のセーリング選手たちの事前合宿地として活用されました。
ちなみに、日本にヨットが伝えられたのは、横浜の居留地に住む外国人がヨットクラブを作ったのが最初とされています。
1882年、当時の農商務司法大臣だった金子堅太郎の子息が、葉山で楽しんだのが日本人による最初のヨットと言われます。
青い空に映える白いマンションの建物群、道路沿いには電信柱ではなく高さ数十メートルのヤシの木が並ぶ、異国情緒溢れる場所です。
テレビCMや、映画のロケ地として使われることも多く、西野カナのラブソング「もっと…」のミュージックビデオにも登場します。
また、映画「波の数だけ抱きしめて」(1991年、中山美穂、織田裕二などの俳優陣)の冒頭シーンは、逗子マリーナのそばの飯島トンネルを車で走るシーンです。
飯島トンネルを抜けると、鎌倉の材木座海岸です。
披露山(ひろやま)庭園住宅
披露山住宅は、1968年に住友建設がTBS不動産の企画開発により作られ、バブル期には「日本のビバリーヒルズ」と呼ばれました。
数多い逗子の住宅団地の中でも、抜群の景観を誇っています。
販売当初は、一区画1000平方メートル、建ぺい率20%、高さ8メートル、相当規模の庭を設けないといけない等の建築協定がありましたが、現在は少し緩和されています。
住宅内は、電信柱が一切見当たりません。
電信柱やアンテナなどの電線類は全て地中に通されています。
ちなみに、披露山(ひろやま)という名称の由来は、源頼朝がこの山で全国から献上された貢ぎ物を御家人たちに“披露した“ことだという説があります。
昔、小坪の人々は、逗子へ行くのに披露山を超えなければなりませんでした。
この披露山には、お夏ぎつねというメスのキツネがおり、行き来する人を騙し、困らせたという逸話が残っています。
このお夏ぎつねを祀った祠(ほこら)は、今も小坪小学校のプールのそばにひっそりとあります。
今も披露山は豊かな自然が残りリスなどの動物を見ることがありますが、昔から多くの動物が住んでいたことを示すお話だと思います。
飯島の古い船着場
逗子マリーナのそばには飯島の崎と呼ばれる場所があります。
ここでは干潮の時には、丸い石が沢山積んであるのが見えます。
これは和賀江島(わかえじま)と言って、鎌倉幕府の時代に築かれた船着場の跡です。
当時、多くの船が由比ヶ浜で難破していました。
鎌倉の海岸は遠浅のために荷揚げに不便であり、嵐のときには難破する船が多かったようです。
鎌倉が武士の街として成長するために多くの品物が必要だったので、この飯島に船着場をつくりました。
ここに使われている丸い石は、船で伊豆方面から運ばれてきたものです。
大崎公園
披露山住宅地をまっすぐ抜けて、細い坂道を登ると、大崎公園の静かなエリアになります。
この公園の展望は、目の覚めるような絶景です。
湘南の海岸、相模湾、江ノ島、富士山が一直線に並んで見ることができます。
ここは披露山住宅街を抜けないと入れないのでプライベートな空間のような感じがありますが、地元の人も、観光の人も誰でも入ることができます。
駐車場はないのですが、近くの披露山公園の駐車場(無料)に車を止めて徒歩で来ることができます。
ただ、週末は披露山公園の駐車場はいっぱいなので、無理のない範囲で、逗子駅からバスか徒歩で来ることをおすすめします。
専用の駐輪場はないですが、自転車をちょこっと止めて置ける場所はあります。
私はいつも徒歩で行きますが、自転車で来ている人もいますよ。
コスモミロス逗子
ギリシャのエーゲ海に浮かぶリゾート地・ミロス島が名前の由来です。
リクルートコスモス(現コスモスイニシア)を事業主として1991年に建てられた建物です。
オレンジの屋根と白い建物がとても素敵な住宅街です。
おすすめの場所、カフェ
小坪エリアにあるおすすめの場所や、カフェを紹介します。
サンクビス コツボ(5bis Kotsubo)
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2021年春、逗子マリーナのすぐそばにオープンされたケーキ屋さんです。
サンク(フランス語で5の意味)、ビス(bis;フランス語で番地の意味)はフランス語でお店のある小坪5丁目の住所のことです。
地元の人にも大人気で、見た目も味もとても素敵なお菓子が食べられます。
飯島公園の夕日
ここも逗子マリーナのすぐそば、飯島公園です。
ここから見る夕日は、日が沈む毎分毎分、色が変わっていきグラデーションのように色が変わっていきます。
天気の良い時には、江ノ島の後ろに、富士山も顔を出します。
芝生が敷かれているのでピクニックにもおすすめです。
ロンハーマンカフェ 逗子マリーナ
逗子マリーナの中、ヨットハーバーのそばにある、サザビーグループの運営するおしゃれなカフェです。
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週末は、行列ができる大人気なお店です。
和食 魚佐次
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小坪漁港の新鮮な魚などを使った、和食・定食屋さんです。
ここも逗子マリーナから徒歩で行ける距離です。
アジフライ定食の他には、刺身定食、シラスなど、色々メニューがあります。
駅からの距離、海までの距離
駅からの距離
駅からのアクセスは少し不便です。
逗子駅からは徒歩30分程度かかる場所がほとんどです。
そのため、頻繁に都内に出かける用事がある場合は交通手段として、自転車や車、あるいは逗子駅から乗ることのできるバスを利用します。
【小坪までのアクセス】
◆JR逗子駅からバスで、鎌倉駅行き(小坪経由)「小坪海岸」で下車 所要時間 約15分
◆JR鎌倉駅からバスで、逗子駅行き(小坪経由)「小坪」で下車 所要時間 約15分
海までの距離
小坪エリアの特徴は、逗子海岸にも、鎌倉の材木座海岸にも、どちらも近いことだと思います。
どちらも自転車で10分くらいでアクセスできます。
両方の海岸に近いことのメリットは、その日の気分で訪れる海岸を自由に選べることです。
例えば、「今日は逗子海岸は人が多そうだから、材木座海岸に行こう」とか、「今日は逗子海岸のそばにある渚橋珈琲で勉強した帰りに、逗子海岸に行こう」といったように、その日の気分でどちらか選べます。
私は、逗子に住み始めた頃は逗子海岸に良く通いましたが、最近は材木座海岸の方が好きになりつつあります。
材木座海岸の魅力は、海岸線が材木座〜由比ヶ浜まで長く続いていること。
そして由比ヶ浜よりも少し駅から不便なところにあるので、比較的人が少ないことです。
スーパー、コンビニの有無
小坪エリアには、普段使いできる大きなスーパーはないので、逗子駅の近くのスーパーを使うことになるかと思います。
コンビニは、セブンイレブンと、ファミリーマートがあります。
セブンイレブン 逗子小坪店
ファミリーマート 逗子小坪店
郵便局、ヤマト運輸受取りセンターの有無
小坪には郵便局も、ヤマト運輸の受取りセンターもあります。
また、1人暮らしをしていて日中出かけていると、荷物が受け取れないことがよくあります。
そんな時に、ヤマト運輸の受取りセンターが近くにあると便利ですよね。
逗子小坪郵便局(朝9時から開いています)
ヤマト運輸 逗子センター
治安
治安については、逗子警察署が発表している犯罪発生状況をご確認いただくのが良いと思います。
逗子の町名ごとに、犯罪別に分類されており、毎月更新されています。
こちら(外部サイト)からご確認できます。
自然災害
最後に、自然災害のお話です。
自然災害は発生しないのが一番ですが、逗子に住む上で、最低限ハザードマップは確認しておきましょう。
ハザードマップとは
ハザードマップとは、一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。
防災マップ、被害予測図、被害想定図、アボイド(回避)マップ、リスクマップなどと呼ばれているものもあります。
ハザードマップを作成するためには、その地域の土地の成り立ちや災害の素因となる地形・地盤の特徴、過去の災害履歴、避難場所・避難経路などの防災地理情報が必要となります。
引用元:国土交通省 国土地理院
逗子市の作成するハザードマップ
2021年9月現在、逗子市の作成するハザードマップは以下の二種類です。
下記リンクは、市役所の運営する公式サイトに飛びます。
実際にご確認いただくと、津波や土砂災害の警戒区域に指定されている場所がかなり多いのが良く分かります。
私の住んでいる場所も、津波災害警戒区域には含まれていないものの、土砂災害警戒区域には含まれています。
自然災害のリスクのある場所を、事前に把握しておけば、もしもの時に備えて、普段から準備ができます。
また、もしもの時にすぐに避難できるように、自宅には避難グッズを用意しておくことも大切です。
私は、一人暮らしをしていますが、避難グッズをまとめたリュックサックを置いています。
このリュックサックは、少し値段が高いので買うかどうか迷いましたが、Amazonのレビューがとても高く、必要なものが一つにセットになっていて充実した中身だったため購入を決めました。
逗子に住んだら、まずは防災グッズを検討されることをおすすめします。
まとめ
以上、「【逗子】小坪ってどんな場所?特徴や暮らしやすさを一挙紹介!」でした。
少し外れた場所にあるからこそ、独特の文化が生まれていて、ゆったりとした時間が流れている場所だと言えると思うよ。
参考文献
本記事を執筆するにあたり、下記の文献を参考にさせていただきました。
『「湘南」の誕生 音楽とポップカルチャーが果たした役割』増淵敏之著, 2019年『住む地域を知る逗子の歴史』市制50周年記念事業実行委員会刊, 2005年『逗子子ども風土記』逗子教育委員会調査部編, 1989年『逗子道の辺百史話』三浦澄子編, 1986年『湘南に家を持つ』寺倉力著, 2004年
▼湘南エリアで、賃貸物件の暮らしから、家を建てるまで、筆者が実体験に基づいて書かれている本です。
▼湘南エリアはなぜ魅力的なのか?大学教授の筆者が湘南のルーツを詳しく書かれています。比較的新しい2019年出版です。