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お雑煮とスコーン・なつのブログ
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#3 記事『眞子さまと同窓”ICU男子”の何がいいのか』につっこみを入れてみる

こんにちは、なつです!
前回のブログに続き今回も、ICUについて情報発信をしたいと思います。

なつ
なつ
なつはICUの卒業生だよ。
2010年前後に大学を卒業した後、今は大阪に住んでいるよ。

こんな記事を読みました。

『眞子さまと同窓”ICU男子”の何がいいのか』
眞子さまの「婚約相手」の小室圭さんが注目されている。その魅力をさぐると、出身大学であるICUの校風やカリキュラムに行き当たった。ICUは、近年、企業の人事部からの人気も高まっているという。なぜなのか――。

リンク先が古くなっているかもしれませんが、全文はこちらから読めます。

記事のリリース日は2017年5月で、眞子さまと小室さんのご婚約発表があったのが同じ年のこの5月だったことを考えると、二人の出会いのきっかけになったのがICUだったことでどんな大学なのか世間の注目が上がっている中で書かれた記事なのだろうと容易に想像できます。

記事の中で面白いなと思った部分と、これって本当なのって思った部分があったので少しツッコミを入れる形でご紹介したいと思います。

ICUにありがちな経歴

婚約内定をいちはやく報じたNHKによれば、小室さんは音楽大学の付属小学校を卒業後、中学・高校はインターナショナルスクールに通学。

英語が堪能で、ICUを卒業した後は、メガバンクに勤務。現在は、一橋大大学院国際企業戦略研究科(専攻は経営法務)に通いながら、東京都中央区の法律事務所に勤務しているそうです。

これがICUの典型的な経歴だと言われれば、「そんなわけないやん」と言いたい。

私の周りでも高校までインターナショナルスクール(「インター」)に通ってた同級生はいましたが、むしろ少数でした。

ICUは帰国子女の高校生が入学しやすい大学の一つなので、大学の友人には高校までシンガポールに住んでいて現地のインターに通っていたという子も中にはいます。

でも、実際の大多数は次のような感じに近いです。

ICU生にありがちなプロフィール(純ジャパ編)

神奈川県または、埼玉県出身。いわゆる純ジャパ。

高校時代は英語が得意で、模擬試験ではいつも満点近くをとっていた。得意な英語を生かそうとICUに入学したが、ELAをやる中で、自分の発音とスピーキング力が思っていた程良くないことに気付き、悩む。

英語力の向上を願ってSEAプログラムに参加し、カナダの大学で学ぶが、クラスメイトのほとんどが日本人と韓国人であったため、スピーキング力を鍛える機会はそれほどなく、大した進歩もないままに帰国。留学費用の40万円は一体何だったのだろうと、後悔の念ばかりが残る。最近では、インターン先の人から「ICU生なんだから英語ペラペラなんでしょ」などと言われることに、苛立ちとやるせなさを感じている。

しかし、生真面目な努力家でもあるため、就職活動では某外資系コンサルティング・ファームの内定を獲得し、自尊心を取り戻す。「30代で家が建ち、40代で墓が建つ」と言われる過酷な業界の荒波に揉まれ、彼はたくましく生きていくことだろう。

「純ジャパ」と言うのは純粋な日本育ちの人のことです。

“純粋”が何を意味するのか深入りすると話が逸れていくので書きませんが、帰国子女や海外育ちの人に対する、日本育ちの人という程度です。

ICUにいると見た目は完全に日本人ですが、話してみると英語が母国語で日本語の方が苦手って子もいます。

「ELA」はEnglish for Liberal Arts Programの略で、ICUに入学したら最初の二年間は毎日英語のクラスがあります。

昔はELP(English Learning Program)と言いました。20人くらいの少人数のクラスで、英語がペラペラの日本人先生やネイティブの先生に毎日スピーキング中心に英語力を鍛えられるので、純ジャパで入学すると大変ですけど、周りのみんなも純ジャパ同士なので同じ悩みを共有してなんとか乗り切って、1年経つ頃には大体英語は何とかなります。

「SEAプログラム(略してシープロ)」というのは、夏休み期間の6週間、英語圏にある大学に留学する制度のことです。

大学1年の夏休みか2年の夏休みに行きますが、選択制なのでみんなが行くわけではありません。

私も行かなかったのですが、シープロに行くとELAの単位の一部を取得できるので後々の授業がちょっと楽になったり、私がいた時は「シープロマジック」と言って留学先の日本人同士が付き合って帰ってきたりするというのが割とあるあるでした。今でもあるのかな、シープロマジック。

就活では「ICU生なんだから英語ペラペラなんでしょ」という感じで企業から見られるのは本当です。

ICU生の進路実績はここから見れますが、2021年度の就職先では楽天とアクセンチュアが一位ってなってます。

私の周りでは新卒は別の会社で働いてたけど、転職で楽天に就職した子もいますので、実際にはもっと数が多いと思います。楽天は社内公用語が英語だったり、TOEICの高スコアが求められたりするらしく、ICU生と相性はいいのかもしれないですね。英語がペラペラという世間の目はプレッシャーになりますが、逆にうまく利用したらいいと思います。

私の友人の一人は純ジャパで入学してきて、留学もせずに卒業したのですが、英語があまり得意でなくTOEICのスコアも600点前後でした(一般的には700〜800点くらいがICU生に求められるライン)。

彼は履歴書にはTOEICのスコアをあえて書かずに就活を乗り切っていました。「ICUを卒業したなら英語できるはずやろ」と企業に見られるので、したたかに先入観を利用していけば良いと思います。

そもそも企業が求めてるのは英語スコアだけではなく、英語を使う環境に身を置いていたこととか、海外の人が沢山いる中で培ってきた考え方などの内面的な部分も求めていると思いますので、そういったマインドセットはICUにいたら自然に身に付きます。良い先入観はうまく利用して、悪い偏見は「そんなわけないやろ〜」ってネタにするくらいが丁度いいですね!

進路先でもう一つ補足するとすれば、一度就職して3年くらい経ったら、キッパリと仕事を辞めて海外の大学院に留学する人が結構多いです。

実は私もそう考えていた一人でした。大学院の申し込みの時に、大学の先生の「推薦状」を書いてもらう必要があるのですが、私が卒業後3年くらい働いてから大学の先生のところに訪ねていくと、「そろそろ来る頃だと思ってたよ(笑)」と言われました。

しかも「こないだも同じゼミの〇〇さんが仕事辞めて大学院に行く相談をしにきたよ」とのこと。

大学院に行く理由は十人十色、皆んなそれぞれ違った理由がありますが、傾向としてはICUの人はみんな何か目的があって大学に入ってきた人が多いので、その将来の目標に向けて動き始めるのが社会人3年目前後(20代後半〜30歳)くらいなのかもしれませんね〜。

ちなみにこの「Weekly Giants」という大学の広報誌は、私の時からありました。現役の大学生が取材のためのサークルを運営していて、ICUの内輪ネタを面白おかしく書いています。ICUを目指す高校生にも参考になるかもしれません。

ICU生にありがちなプロフィール(帰国子女編)

もう一つWeekly GiantsからICU生にありがちなプロフィールを紹介します。

日系大手自動車メーカーに勤務する父親の仕事の関係で、9歳までをアメリカで過ごす。英語の発音は完璧だが、語彙力が現地人の9歳児レベルで停滞しているため、ELAはストリーム3に入れられる。

3年時には、アメリカ留学を決意する。第一志望はUCLA。ビーチ沿いの生活を夢見ていたが、GPAが足りずに落選してしまい、第二志望のオハイオ州立大学に行くことになってしまう。

オハイオ州立大学は、「錆び付いた工業地帯」の一角、オハイオ州コロンバスに位置している。大好きなアメリカの現実をまざまざと見せつけられながら、彼女はたくましく生きていくことだろう。

「UCLA」はUniversity California Los Angelsの略ですね。

米国カリフォルニア州ロサンゼルスの名門大学で、西海岸沿いにキャンパスがあり、GAPとかHollisterのパーカー(今は古いかも?)に、短パンやジーンズ、サンダルとサングラスで大学に通う姿は、映画やドラマで見る「アメリカの大学生」そのもので誰もが一度は憧れます。

オハイオ大学も名門ですが、西海岸の大学とは全く違うイメージになってしまいますね。UCLAはICUの交換留学の協定先なので、校内選抜でも人気で競争率が高く、GPAという留学で求められる大学の成績の基準が厳しく、第一志望通りに留学できる人は限られた狭き門です。

「リベラルアーツ教育」は人の器を大きくする?

「リベラルアーツ教育」は人の器を大きくする?

ICUの学生は英語だけを学ぶわけではありません。「リベラルアーツ教育」による教養の高さも、ICU男子がモテる理由と言えるでしょう。リベラルアーツ教育とは、ICUの説明を借りれば、「文系・理系の区別なく幅広い知識を得た後に専門性を深めることで、豊富な知識に裏打ちされた創造的な発想を可能とする教育」というものです。

ICUは、教養学部1学部で、その中に31のメジャー(専修分野)を設けています。入学時に専攻を定める必要はなく、3年次になる前の段階でメジャーを決定します。メジャーには、「文学」「社会学」「数学」「生物学」「美術・文化財研究」「ジェンダー・セクシュアリティ研究」「グローバル研究」などがあり、さらに1つだけでなく、2つのメジャーを同時に組み合わせる「ダブルメジャー」、2つのメジャーを比率を変えて履修する「メジャー、マイナー」という履修方法を選ぶこともできます。

通常の大学では経済学部に入学すれば、卒業まで同じですが、ICUは入学時の志望通りに学び続けることもできますし、途中で変えることもできるのです。また文系と理系を変更することもできます。だから、自分の興味と適性を見極めながら、学問を深めていけるのです。

こうした型にはまらないスタイルが学生のモノの考え方や生き方にも作用し、「人としての器」を大きくしていくような側面があるかもしれません。だからこそ、外見だけでなく、相互の知性においても信頼することができ、お二人の関係も良好なのではないかと推測します。

書いてることはその通りなのですが、ICUを卒業して10年近く経った立場で言うと、大学で勉強したことのほとんどは忘れちゃいます。

大学生の時にあれだけ図書館に籠って勉強して提出した課題のレポートの内容とか、ともすれば卒業論文の内容とかも、気をつけていないと、社会人になって数年経つと遠い過去の話になっています。

ですので、リベラルアーツ自体が「人の器」を大きくして「モテる」ことにつながるのか真意は定かではありませんが、大学を通して培った友人関係の方は文字通り人の器を大きくするような財産だと思います。

つい先日、今の仕事でベトナムに出張したのですが、ベトナムの出張先で訪れたオフィスビルのエレベーターを待っていたら急に声をかけられて、振り向いたら大学時代の部活の後輩が立っていました。

ICU生はもともと海外志向の人が多く、就職先も海外の方が多いかもしれません。結婚して海外に住む子も多いし、世界中の色々な国に散らばった友人のネットワークは貴重ですね〜。

最後に

最後に、ICUとありがちなプロフィールみたいにつらつらと書きましたが、そもそも人間の人格形成は大学に入学する前に大部分が形成されているので、大学とその人の人格を関連づけること自体がナンセンスなのかもしれません。

また、ICUと言っても、日本では一部の人にしか有名じゃない大学だし、海外の人たちにはハーバード大学や MIT、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学とかに比べると、圧倒的に知名度がない大学ですので、当たり前ですが「私はICU生なので〜」と言うのが通じません。

海外の人と仕事をしていて、出身大学を聞かれることはほとんどありませんが、聞かれた時は「東京にある大学を卒業した」ことくらいしか伝えないですし、ICUって言っても「何じゃそれ」です。

Life is more than fitting in your jeans。世間の先入観とはうまく付き合っていきながらも、大学生活で培った世界中に広がる友人関係の芽は、大切にして謙虚に生きて行けたら良いですね!それではまた!

参考記事

◇眞子さまと同窓”ICU男子”の何がいいのか 2017年5月31日、プレジテントオンライン
◇「量産型ICU生」の特徴 2020年5月、The Weekly Giants

ABOUT ME
なつ
2010年代にICUを卒業し、今は大阪に暮らしています。卒業生の立場から大学のことについて書いたり、時々旅行や考えことについても発信しています。大阪の前は神奈川県逗子に住んでました。