インドの避暑地がオーバーツーリズム化している
インド駐在員の共通の悩みは週末にやることがないことです。日本のように娯楽が少ないので、私の周りの駐在員はゴルフ、スポーツ、ネットフリックスなどを通じて週末を過ごしていることが多いです。
平日の移動疲れ(渋滞で30分の通勤時間が1時間半になったりする)を癒すために、週末は体力回復のため部屋でネットフリックスや日本のバラエティ番組を見て過ごして、一日中外出しないこともよくあります。
日本だと一歩も外に出ないと、「今日は誰とも話していない」と罪悪感に感じることもありましたが、インドでは全くそういう感じはありません。
堂々と一日引きこもり生活ができます!笑
週末の娯楽の一つに、旅行の楽しみがありますが、今回はインドの国内旅行が話題です。
インドでは5〜6月が猛暑期にあたり、デリーでは40℃を超えることもあり、日中は外に出るとそれだけで疲れます。
そんな猛暑期になると、富裕層・中間層のインド人はヒマラヤ山脈のふもとの避暑地に向かうのがトレンドになっています。
中でもシムラー(Shimla)は英国統治時代に夏の首都として使われた有名な山岳避暑地です。日本で言うと軽井沢、箱根、ニセコのような都市。
インドの観光トレンド
インドでは所得向上と自動車普及により、国内旅行が増えており、特にコロナ後、自然が豊富で、涼しい場所、映える観光地への需要が急増。
インドでは中間層の拡大により、インド人の可処分所得が増え、「旅行は贅沢」→「年に数回は行くもの」へ変わってきています。
特に都市部のIT、金融、GCC、スタートアップ勤務層は旅行消費がかなり増えています。
インドの平均年齢は28歳ですが、若い世代はインスタグラムやYoutubeの影響を受けて「映える旅行」の需要が強く、最近はヒマラヤ、ゴア、リシケシュ、カシミールなどが人気。
日本人感覚では海外旅行は割と普通ですが、インドではまだハードルが高く、ルピー安、ビザ、航空券高なので、まずは国内旅行が伸びています。
インドの山岳避暑地
ヒマラヤ山脈の麓にあるシムラー、ダージリンなどは、元々は英国人が暑さを避けるために作った都市です。
日本のニセコ、軽井沢でもオーバーツーリズム、別荘乱開発、渋滞が問題になりますが、インドのヒマラヤ地域でも、美しい自然だけでなく、深刻な過密、交通渋滞、無秩序な開発の問題が出ています。
シムラーは英国時代の人口(約2.5万人)でしたが、現在の年間観光客数(約270万人)が増え、狭い山道に1日2.6万台の車が走り、急斜面に違法建築が乱立し、本来山岳都市として対応できる人口・インフラ容量を大幅に超えています。
さらに、気候変動によりヒマラヤ地域では異常気象(土砂崩れ、豪雨)が頻発し、過去10年でこの州だけで1万人以上の死者が出ています。
Himachal Pradesh floods: More rain, less snow are turning Himalayas dangerous
専門家は観光税導入、ホテル建設の規制、建築規制の強化を求めていますが、州政府は逆に観光客数を3倍に増やそうとしています。
ちなみに、私もインド国内旅行に駐在中に一度は行ってみたいと思いながらも一度も行けていないです。
その背景には「普段インドの交通渋滞に悩まされていて、街歩きができないことのストレスがあるのに、旅行先ではせめてクラクションの騒音がなく、牛肉が食べれて、日本の吉野家があって、街歩きが楽しくできる場所でゆっくりしたい!」という悲痛の声があります。
そのため、インドの都市は選択肢から外れ、タイのバンコクやシンガポール、中東のドバイ(いずれもインドから3〜5時間のフライトで行ける)に流れてしまい、中々インド国内旅行ができないのですよね・・・。
いつかは行きたいけど、結局一度も行かない可能性高いだろうな〜。
参考記事:
India’s legendary hill towns are sinking
